理化学研究所生命機能科学研究センター(RIKEN BDR)は、生命システム研究センター(QBiC)、多細胞システム形成研究センター(CDB)、ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)を前身として、2018年4月に発足しました。RIKEN BDRは、センターのミッションと関連した問題をテーマとして取り上げたシンポジウムを毎年開催し、国内外の先端的科学者と深く議論し、認識を深めてゆきたい所存です。2020年春は、"Emergence in biosystems"をテーマとして選びました。
近年、人工知能や情報処理の斬新な方法論を用いることで、これまで解析が困難であった生命現象にアプローチすることが可能となっています。その代表的なものとして、要素の単純な総和ではない全体として現れる現象、すなわち創発現象がある。生命を階層的なものとみなした時、下位の現象からは窺い知れない現象が上の階層に現れることは創発現象の例としてよく知られています。自己組織化を伴う現象はその典型であり、1種の幹細胞から発生した複数の異なる細胞が1つの組織として機能する現象や、異なる組織の統合としての臓器ネットワークの構築など、生命科学が今後の課題として取り組むべき多くの生命現象は多かれ少なかれ創発性を含んでいます。
本シンポジウムでは、人工知能や様々な異なる側面の計測を統合的する情報科学的アプローチなどの最新の情報科学・工学的アプローチを取り上げるとともに、これらの方法論を活用して生命の創発現象の理解に取り組む研究を紹介することで、最新の情報・工学的アプローチと創発性という視点から生命現象を広く俯瞰し、新しい生命科学のパラダイムを探ります。
トピックスとしては、以下のものを予定しています。
(i) Origin of life
(ii) Protein/RNA self-assembly
(iii) Intracellular organelle formation
(iv) Cell assembly and organ formation
(v) Brain function and its underlying principle
本会を活発な情報交換の場とするため、一般参加者によるポスター発表を募り、一部の演題には口頭発表をお願いする予定です。また、海外からの参加者(大学院生、研究員)を対象としたTravel Fellowshipを用意し、国内外からの多数の参加申込をお待ちいたしております。
また、本シンポジウムに引き続き、シンシナティ小児科病院オルガノイド医学研究センター(CuSTOM)との合同シンポジウム2020 RIKEN BDR-CuSTOM Joint Symposium "Integrated organoid science: Stem cells, Engineering, Medicine”を開催いたしますので、是非こちらにもあわせてご参加ください。
なお、会場の制約から、多数のご応募がありました場合、主催者の判断で、参加者を180名程度に限らせていただく可能性がありますことをご承知おきください。
センター長 西田 栄介
オーガナイザー
大浪 修一(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
柴田 達夫(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
林 拓也(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
松崎 文雄(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
Kam Zhang(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
Tony Hyman(Max Planck Institute of Molecular Cell Biology and Genetics, Germany)
日程
2020年3月2日(月)~4日(水)
会場
理化学研究所 生命機能科学研究センター 発生・再生研究C棟1階オーディトリアム
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3
(ポートライナー「医療センター」駅徒歩約5分)
詳細は「アクセス」をご確認ください。
言語
英語(同時通訳はございません)
参加費
無料(希望者のみ昼食代、懇親会費別途)
・昼食代 3,000円(3日間)
・懇親会費 一般5,000円/学生1,000円
サポート
本シンポジウムは理研シンポジウムの一環として開催いたします。