BDRスプリングスクール2020

- 実習テーマ詳細 -

全反射蛍光顕微鏡を用いた細胞内1分子イメージング解析

配属研究室
細胞シグナル動態研究チーム
研究室主宰者
上田 昌宏
開催場所
理研生命システム研究棟A
実習内容
全反射照明はカバーガラス近傍の数百ナノメーターにある蛍光分子のみを励起するため、背景光によるノイズを軽減し、感度良く蛍光分子を観察することができる。このため、全反射照明蛍光顕微鏡を用いれば、生きた細胞膜上に存在する蛍光標識した分子の挙動を1分子レベルで観察し、追跡することができる。この実習では、GPCR型の受容体や膜結合性のシグナル蛋白質を生きた細胞内で1分子レベルで可視化し、その動態の解析を行なう。こうした細胞内1分子イメージング解析を用いた細胞内シグナル伝達研究にふれる機会とする。

超解像顕微鏡を用いた神経細胞・細胞内小器官のライブイメージング

配属研究室
細胞極性統御研究チーム
研究室主宰者
岡田 康志
開催場所
理研生命システム研究棟A
実習内容
2014年、超解像顕微鏡法がノーベル化学賞に輝きました。しかし、3次元超解像顕微鏡による細胞内の高分解能ライブ観察には、まだ世界中で数カ所でしか成功していません。本実習では、皆さんにこの世界最先端の前人未踏の地を散策して貰いたいと思っています。ニューロン、軸索、樹状突起、シナプス、スパイン…あるいは、ミトコンドリア、小胞体(ER)、ゴルジ体、リソソーム、エンドソーム…
これら神経細胞の様々な構造部位や、細胞内小器官の名前は教科書で目にしたり、授業で耳にしたりしたことがあるのではないでしょうか。では、実際に見たことはありますか?
まだ誰も見たことのない、これらの構造の真の姿を、自分自身の目で見てみたいと思いませんか?

細胞イメージングと遺伝子発現解析

配属研究室
細胞システム動態予測研究チーム
研究室主宰者
城口 克之
開催場所
理研生命システム研究棟A
実習内容
細胞を顕微鏡観察すると、形、動き、核の状況など、いろいろな情報を得ることができます。これらの特性が細胞の内部状態とどのような関係にあるのかを調べることは重要です。
本コースでは、まず、顕微鏡観察して特徴を捉えた細胞をピックアップします。
その後、ピックアップした細胞の遺伝子発現を定量します。
これにより、イメージングと内部状態解析の関連を学び、議論します(事前に簡単な“宿題”が出る可能性もあります)。

コンピュータの中に細胞を作り、顕微鏡シミュレータで観察する

配属研究室
バイオコンピューティング研究チーム
研究室主宰者
高橋 恒一
開催場所
理研生命システム研究棟A
実習内容
最新の細胞シミュレータ「E-Cell」を使い、コンピュータの中に細胞内の分子ひとつひとつの動きから生化学反応経路を組み立てて、自分の好きな細胞のふるまいをシミュレーションすることを目指します。シミュレーションモデルの作成の基礎、高性能計算機を用いた計算実験の計画と実行、さらに「顕微鏡シミュレータ」を使った実際の実験と同様の観察まで、一連の研究の流れを通じて、細胞モデリングを実際に体験します。予備知識は必要ありません。

脳を透明化し、全細胞を解析する

配属研究室
合成生物学研究チーム
研究室主宰者
上田 泰己
開催場所
阪大生命システム棟
実習内容
生命システムの働きを理解するためには生体の基本構成要素である細胞について、どんな種類が、どれだけの数、どこで、どれだけ活性を持っているか、という包括的な情報を得ることが重要です。本コースでは、このための1つのアプローチである動物組織を透明化して直接観察するという画期的な手法を体験します。実習では、マウス脳組織をCUBIC試薬(組織透明化試薬)で処理してシートレーザー顕微鏡で観察し、得られたデータを画像解析ソフトで全細胞解析する一連の流れを実施します。

試験管内自己集合反応

配属研究室
無細胞タンパク質合成研究チーム
研究室主宰者
清水 義宏
開催場所
理研生命システム研究棟B
実習内容
生体高分子の特徴のひとつである自己集合性に着目し、タンパク質の自己集合反応を試験管内で行う。大腸菌に感染するバクテリオファージが持つ遺伝子を、無細胞タンパク質合成システムPURE systemへ投入し、ファージタンパク質の合成およびそれらの自己集合性を観察する。これらのファージタンパク質および遺伝子は自己集合することによって大腸菌に対する感染性を持つファージを形成することから、感染能の有無によって自己集合性の確認を行う。これらの操作を通じて、試験管内でのタンパク質合成を体験する。

集積バイオデバイスによる生命科学研究の次世代化

配属研究室
集積バイオデバイス研究チーム
研究室主宰者
田中 陽
開催場所
阪大生命システム棟
実習内容
1 mm以下のマイクロ構造を活用して、これまで難しかった一細胞や一分子を個別に扱い、次世代のバイオや医療技術に貢献するための手法を提供するための微細加工を体験し、デバイスを試作する。具体的には、コンピュータの素子作製などに使われる半導体加工技術である光パターニング技術・フォトリソグラフィー法をベースとし、髪の毛や蚊の針の太さ(10~100 μm)と同じかそれ以下のきわめて細い流路や構造物を基板上に実際に加工し、デバイス技術の基礎となる微細加工技術に関する理解を深める。

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